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ホルモンについて:免疫を強める胸腺ホルモン
心臓の上(胸骨の裏面)にある胸腺は、Tリンパ球を作り出す組織で、ホルモンを産生する内分泌器官であることも知られています。 新生児で一二から一五グラムある胸腺は、その後減少し四十代では脂肪組織に換わってしまいます。 そして老年期には痕跡をとどめている程度になってしまいます。胸腺が出すホルモンにはサイモシン、サイモポエチン、サイムリン、 THF(胸腺体液因子)などがあります。 これらはリンパ球の機能分化促進に必要です。リンパ球の機能は複雑に分化していて、 サイモシンはTリンパ球を媒介とする免疫に刺激的に働き、インターロイキン6の産生を増加させます。 サイムリンは、CD8(キラー細胞)の活動に刺激的に働きます。THFは、 リンパ球から産生されるインターロイキン2の産生を増加させます。亜鉛を含むホルモンですが、その亜鉛が不足すると分泌が低下します。 外敵から体を守り、免疫応答をしっかりさせます。 近年では胸腺機能が寿命に関係していることがわかってきています。七十代には痕跡程度になってしまう胸腺ですが、 自己抗体という自分の細胞を破壊する抗体は二〇歳のころの二倍になるといわれます。 老人の死体を検索すると、キラーT細胞という免疫細胞が、あらゆる臓器に攻撃を仕掛けているのがわかります。 これも胸腺機能の衰えによる自己破壊なのかもしれません。 ※無断転用・転載は固く禁じます。 |
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