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ホルモンについて:元気のもとになる甲状腺ホルモン
甲状腺ホルモンは内分泌組織の中では最大のもの。体温やエネルギー調節をしています。 エネルギー産生は、細胞内のミトコンドリアに働きTCAサイクルというエネルギー産生回路に働き、 ATPというエネルギー物質を生成することで行っています。幼児期にこのホルモン分泌機能が低下すると、 クレチン症という重い発達障害と知能障害を生じます。甲状腺ホルモンの生理作用は次のとおりです。
1. 糖新生を増加して、グリコーゲンの分解を増し、組織での糖の利用を促進する
2. 脂肪を分解する 3. コレステロールの合成と排出の増加→結果 血中コレステロールの低下を生じる 4. 細胞内の余分な水を排出する 5. 貧血を改善する 6. 脳が発達し、神経が鋭敏になる 近年、ダイオキシンなどの環境ホルモンが生態に与える影響が指摘されています。 環境ホルモンは、結合受容体にたいして甲状腺ホルモンの代わりに結合します。 体は甲状腺ホルモンが分泌されたものと感知し、実際の甲状腺ホルモンの分泌は低下します。 その結果 子供であればクレチン症、大人であれば低体温やむくみ、気力の低下が起こります。 クレチン症は知能の低下と低身長などの発達障害などを起こします。近年増えている低体温も、 多くの場合甲状腺機能の低下が原因であると考えられます。 環境ホルモンによる甲状腺機能の低下も、大人の場合は症状が軽度のため見落とされてしまうことがあります。 今後も、環境ホルモンによる障害とわからずに甲状腺機能低下症を発症するケースが増えるでしょう。 もちろん老化によってもこのホルモンは低下するわけですから、高齢者の多い日本では甲状腺機能低下をきたしている人は相当数に上ると思われます。 甲状腺ホルモンが不足した場合、さらに心機能低下、心肥大などが発生します。すなわちこのホルモンは、 心臓の機能を正常に保つためにも必要不可欠なものなのです。HGHもこのホルモンの分泌を促進するよう働きます。 成長発達には両者の相乗効果 が不可欠。いわば甲状腺ホルモンは、元気のもとなのです。 過去にはこのホルモンが、やせ薬として大変もてはやされた時代がありました。 しかし過量投与が副作用を生じました。心機亢進、眼球突出、色黒の肌、不眠、ひどい場合は心不全などです。 最近、甲状腺ホルモンの減少が原因で体温の低下を訴える高齢者が大変増えています。 そのようなケースでは、甲状腺ホルモンを補充することがありますが、現在ではホルモン値を測定しながら適量を補充しますので、 副作用はまったく発生していません。 ※無断転用・転載は固く禁じます。 |
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